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人事労務ニュース


文書作成日:2016/03/22

過重労働解消キャンペーンによる労基署調査対象事業場の73.9%で法令違反

 厚生労働省は昨年11月に「過重労働解消キャンペーン」を実施し、労働基準監督署による重点監督などを進めていましたが、先月、この実施結果が取りまとめられ、公表されました。そこで、今回は、労働基準監督署の調査におけるポイントを理解するという意味から、この実施結果の内容をとり上げましょう。

1.法令違反の状況と主な内容
 昨年の重点監督は、長時間労働削減推進本部の指示の下、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施されました。その内容を見てみると、重点監督の実施対象となった5,031事業場(以下、「重点監督事業場」という)のうち3,718事業場(73.9%)において労働基準関係法令違反が指摘されました。その主な違反内容は以下のとおりとなっています。

1)違法な時間外労働があったもの
・違法な時間外労働があったもの:2,311事業場(45.9%)
・法定時間外労働・法定休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が100時間を超えるもの
 月100時間を超える150時間以下のもの:646事業場
 月150時間を超える200時間以下のもの:115事業場
 月200時間を超えるもの: 38事業場
2)賃金不払残業があったもの:509事業場(10.1%)
3)過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:675事業場(13.4%)

2.労働時間の管理方法
 過重労働解消のためにはまず、始業・終業時刻を含む労働時間を確実に把握することが求められますが、その管理方法については、以下のような結果となっています。

・使用者が自ら現認:509事業場
・タイムカードを基礎:2,050事業場
・IC カード、ID カードを基礎:900事業場
・自己申告制:1,778事業場
・その他(出勤簿等):779事業場
※監督対象事業場において、部署等によって異なる労働時間の管理方法を採用している場合があるため、重複がありうる。

 このようにタイムカードを利用している事業場が多いことが分かりますが、自己申告制を利用している事業場も35%を超えています。自己申告制の場合には、実態が記録されないことも多いことからサービス残業や過重労働が見過ごされてしまうことがあります。定期的な実態調査などを行い、適正な申告が行われるように管理・指導をしていくようにしましょう。

3.健康障害防止に係る指導状況
 最後に、健康障害防止に係る指導状況について見てみると、重点監督事業場のうち2,977事業場(59.2%)において、長時間労働を行った労働者に対する医師による面接指導等の過重労働による健康障害防止措置の実施が不十分であり、指導が行われています。そしてこのうち、時間外労働を月80時間以内に削減するように1,772事業場(59.5%)に対して指導が行われています。

 厚生労働省では今後も月100時間を超える残業が行われている事業場などに対する監督指導の徹底をはじめ、過重労働の解消に向けた取組を積極的に行うとしています。企業としては、改めて労働時間管理のあり方の見直しと生産性の高い業務の推進が求められます。

■参考リンク
厚生労働省 「平成27年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。


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